Wednesday, January 04, 2006

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まるでバスのエンジンがかかった時みたいな微振動によって、オットセイは目が覚めた。しかし、まず最初に気付いたのは、自分が昨夜いたはずの自分の部屋にはいなかった。まだ夢の中かと思ったが、眼も脳も妙に冴えていた。周りを見渡すと、自分の部屋くらいのサイズのドームに入っていた。壁には大きな穴があり、底が見えない程深くその穴は続いていた。それ以外には、窓もドアもなにもない。ただ、テンポよく振動する真っ白の床。状況を把握しきれていないオットセイは、焦りもせず、困りもしない。彼はその部屋の一部と化していた。

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